誰もが一度は、ネット上でお金を稼ごうと夢を膨らませた事はあるかと思います。しかし、それは夢物語で終わったでしょう。ネット上に限らず、お金を稼ぐというのは、凄く大変な事です。しかしそれに挑戦しようとしている方にお会いする機会がありありましたので、どういう風にお金を稼ごうとしたのかをレポートしていきたいと思います。
それはひょんな事から始まりました。彼は最近パソコンを始めたばかりで、たまに彼の家に出向きパソコンに関する事を教えていたりしました。そこまでは普通だったのですが、とある時期を境に彼がおかしくなっていったのです。それは「世の中は情報化社会だ。情報を売ってお金を儲けるぞ」という発言が始まりだった気がします。
今回は、道を踏み外そうとしている彼をメインに話を進めていきます。とはいえ、彼をネタとして扱うのではなくて、実際に稼げるのかどうか?という点と、友人がとんでも無い事を言った時の対処法なども交えて進めていきます。
情報を売るといっても、元ネタがないとどうしようもありません。とうぜん普通のサラリーマンである彼が、ネットで売れる情報を持っているとも思えません。一体どんな情報を売るのかな?と思っていたのですが、彼はとんでも無い方法で情報を入手していました。
それはヤフオクでよくある「裏情報 一ヶ月で100万円稼げます」というような題名で始まる商品を、一発落札していたのです。それだけで満足する彼ではなく、相場が2000円の商品を1800円で落札し「よっしゃ、200円得した。」と喜んでおりました。その情報を見させてもらったのですが、大体は皆さんが想像する通りの情報です。激裏情報さんの情報を、そのまま横流ししたようなものです。
そんな怪しい商品を落札したのには驚きましたが、更に驚いたのはその情報を1000円で売るという野望を聞いたときでした。詳しく聞いていくと、ヤフオクなどで売るのではなくサイトを開き会員を募集して情報を売るというものでした。ファイルのコピーはおろか、右クリックと左クリックの違いが分からない人がです。
この時点で私の考え方が少し変わりました。それまでは「これは面白そうだな。もう少し様子を見てみよう」だったのですが、それが「これはヤバイな。警察にお世話になる前に止めよう。」となったのです。早速彼の説得を試みました。
彼の言葉よりも、話している時の彼の眼を見て「ああ、この人は本気だ・・・」と悟りました。これは徐々に説得していくしかありません。
彼がやろうとしている情報サイトですが、実在する情報サイトで有名なのは、さきほど名前の出てきた激裏情報というサイトです。
since1996と書いてあるので、長い間続いているサイトです。会員になるには年会費が1万円掛かりますので、今までの収益を想像すると、かなりの金額になっていそうです。
しかし、昔はトップページに商用バナ-は貼り付けてありませんでしたが、今は貼り付けてあります。そう考えるとやはりこういうサイトの経営は厳しいのかなと思ったりしました。
また会員専用情報ですが、これらはメールで配信されており、その情報をファイル共有ソフトで手に入れる事が可能です。共有ソフトが特別なソフトとは言えない今では、情報を会員だけに発信するというのは不可能に近いでしょう。そういう意味でも、会員サイトでお金儲けをするのは難しくなっているといえます。
話を戻し、ある日近くの書店に行った時に凄い本を発見しました。題名は「ヤフオクで5千万稼ぐ」というような題名の本です。彼はこういった本を読んで感化されたのでしょう。試しにパラパラと読んでみましたが、予想に反して面白い本でしたのでレジに持っていっきました。
内容はタイトルから推測できる通りですが、その人がヤフオクで商売をする際の苦悩や喜び成功例や失敗例などが書いてあり、ネットオークションで本気で稼ごうと思っている人には、非常に頼もしく参考になる本となるでしょう。
彼もこういった本を読んだのでしょうが、本に書いてある中で自分に都合の良いことしか読んでなかったのでしょう。つまりは「お金を稼げる」という事だけです。後日彼に聞いてみると、似たような書籍を2冊持っていました。
また別の日に彼の家に行ってみると、彼が情報を売るためのサイトを作成していました。サイトを見ると別段おかしい所はありません。冷静に考えてみれば、彼がサイトを開設して情報を売ったとしても、誰も買うわけがありません。そういう意味では、情報を売ること自体はソッとしておいても良いでしょう。
ただ、一点だけ気になる事がありました。それは彼の娘さんの写真がトップに堂々と飾られているのです。さすがにこれはとんでもない事になる事が予測できましたので、本気で説得して写真を取り除かせることにしました。
彼の情報を売るという行為ですが、家族の写真や個人情報を載せないようにさえすればあとは問題が無いと判断して、この騒動は一件落着しました。
では実際にネットで儲けようとすれば、どういった道があるでしょうか。こういう質問をすると真っ先に思い浮かぶのは、匿名口座やコピーCD販売などです。
しかしそれも過去の話。今ではヤフオクなどで商品を売って儲けるのが主流となっています。安く仕入れて高く売るという商売の基本で、法に触れる行為ではありませんし堂々と商品を売る事が出来ます。
しかしヤフオクに専念出来るのならいざしらず、仕事を持った個人ががんばったところでヤフオクで得られる利益は微微たるものです。そうなると起こる問題が盗品販売。特に簡単に盗む事が可能で高価な車・バイク関係は酷くなっており、盗品で稼いだお金で車を買った人もいます。高く売れる商品をリストアップしておいて夜中にごっそり持っていく方法が主流で、一晩がんばれば10万円程度は軽く稼げます。
さらにこの問題の怖いところは盗難者に罪の意識が無い所です。商品の集め方ですが下のようになります。最初はまっとうな商売なのですが、徐々に悪事に走っていく図式です。
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初級 |
またオークションには麻薬的な要素もあり、出品を重ねるごとに出品数を増やしていくようです。最初は1回の出品で3つほど商品を出せば満足するのですが、次第にその数も増えていき最低8個は出品しないと我慢出来ない・・・・というようになるようです。では商品が集まるまで待つのかといえば、そうではありません。足りない分は盗んでくるのです。これは落札金額にも当てはまり、最低5万は稼がないと我慢できないという感じです。当然高価な商品を手に入れるために、盗難に走るでしょう。
皆様も、オークションで商品を売る際は基本である「不必要な物を安く他人に提供する」というスタンスでお願いします。
話を彼に戻します。情報を売るサイトは一段落したはずなのですが、彼がとんでもない事を言い出しました。「OSとかアプリケーションをコピーして売ったら、何で捕まるのかな?」
そういう本が普通に本屋に並んでいる今では、そういう疑問が沸いてくるのも納得できます。しかし彼が逮捕されるだけならそれはそれで面白いのですが、残された家族を考えるとネタにも出来ません。頑張って説得し、コピーCDの販売計画を止めさせました。
文章にすればアッと言う間ですが、実際には物凄い時間が掛かりました。しかし口で幾ら言おうが、私の気持ちが彼に伝わりません。そこで考えたのが、同じような事を考え実行に移し、逮捕された人を紹介する方法です。グーグルで「ネット 逮捕者」という分かりやすい単語で検索をかけた所かなりのサイトがヒットしたので、片っ端から彼に見せていきました。
逮捕される・されないの違いは大きなもので、「実際にお金の流れが発生すると逮捕される」という事をメインに説得し、やっとCD販売を中止できたのです。